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This is my happy time.This is my tresure...
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バレンタインなお話をちょこっと。

少し大人向けですので、それでも大丈夫な方は以下からどうぞー!

「じゃあ今日はこれで帰るよ」


その言葉は落胆の色を含んでいた。否、落胆よりも不機嫌な気持ちのほうが勝っていたかもしれない。

意地っ張りな彼女が好きだ。意地っ張りで、でも時折甘えるその仕草は本当にかわいい。

でも、今日くらいは素直になってもいいのではないか。何が「気をつけて」だ。今自分がほしいのはそんな優しさや気遣いじゃない。

俺は最悪だな。彼女に気付かれないようにバルフレアは溜息を一つ吐いた。




一方ダルマスカの女王様は彼のなんだか落ち着かない態度に一人苦笑していた。

もちろん理由はわかっている。今日はバレンタインデーなのだ。

彼がやってくる前、本当は一番最初に渡そうと思っていた。それで彼が微笑んでくれるなら嬉しかった。

が、言葉にはしないが彼の「絶対もらえるだろう」という態度がおもしろくなくて、少し意地悪をしたくなったのだ。

今日くらい、彼には素直になってもらいたい。

かくして、彼女は本日一言もバレンタインのことを口にしなかったのだ。

でも、さすがに落胆を隠しながらテラスに出ようとする彼はかわいそうだ。そしてとてもかわいい。

アーシェは去ろうとするバルフレアの手に、小さな箱を滑り込ませた。


「意地悪してごめんなさいね?」


バルフレアは振り返って彼女を見る。けれど言葉に反して彼女は笑っている。


「やっぱり知っててやってたんだな。そうじゃないかと思ったんだ」

「たまには、あなたに意地悪してみたいわ」


十分しているだろう。彼は心の中で付け加える。

けれど手にした小さな箱と、不意な彼女の熱い口づけに、今までのことが全てどうでもよくなった。


「気をつけてね」

「どう責任とってくれるんだ?」

「あなたの大好きな財宝が待ってるじゃない。早く行かないとあなたの名が廃れちゃうわ」


そしてまだ言葉を続ける彼女の唇を、今度はバルフレアが情熱的に奪う。

意地悪をしたのはそっちからだ。ならば自分はそれに答えるだけだ。

彼女はそれを承知しているかのように、甘く、そして意地悪く微笑んでいる。


「俺はアーシェのほうが好きなんだ」


それはとても光栄だわ。

彼女はとても嬉しそうに微笑み、そして覆いかぶさる彼の背中に手をまわした。
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